着たい服がないな、とか
どこの店も同じ服ばっか売ってる、とか。そう感じることがしばしばある。

現代において服を買うという行為はネットショッピングやファストファッションのおかげであまりにも楽になり過ぎた。そんな時代にあなたは、どんな服を着ているだろうか?

いつか、先輩が「服って似合う似合わないじゃなくて、何を着たいかだよ」と僕に話してくれたことがある。それが契機となり、僕は「自分の着たい服」とは何だろうと考えることが増えるようになった。これからの時代のファッションの課題は何だろうかとか、今のファッション業界の現状だとかを。

今日はそんなファッションの話をしようと思う。今僕が生きてる時代のファッションのニーズやそのカタチ。そう、今日フィチャーするのは現代の新しいファッションのビジネススタイル「ファストファッション」についてだ。

ファストファッションで済ませられる時代

ファッション

トレンド感のある服が安価に手に入る。これは10代の僕たちのニーズに十分すぎるほど応えている。ここはファッションの民主化が起こった時代だ。

H&Mは 「上流階級のためでなく、みんなのために」 とうたい、 ターゲットは 「贅沢を。あらゆる場所のあらゆる女性のために」 というキャッチフレーズでそれまで富裕層だけのものだった最先端のファッションを全ての人に提供するようになった。
 引用:https://www.fashionsnap.com/article/2015-02-02/fastfashion/

2009年~。多くの人が手軽に服を買えるようになった時代である。

ファストファッションは低価格の割には良品質で最新のファッションが手に入るという魅力を持っている。

概念

   引用:https://www.fashionsnap.com/article/2015-02-02/fastfashion/

ショッピングモールを歩いていると、50%セールの文字と店員さんの声が店内から聞こえてくる。

ベーシックなものから、トレンドの服まで幅広く店頭に並んでいる。そしてついつい手を伸ばしてしまう。「これで1000円!?」と。


今や、ファストファッションはどこへ行っても見かけるようになった。


ではなぜ私たちはこんなにもファストファッションに夢中になるのだろうか?

日本の消費者がファストファッションを実際に購入する理由をアンケート調査したところ

    • 安くてかわいい
    • 情報で知り得たトレンドデザインが満載
    • 商品の種類が豊富で楽しい
    • 手ごろな価格(安価)で品質も満足

というキーワードが抽出された。(引用:サンケイリビング新聞社 2009)

2000年代から多く普及してきたファストファッションは若者を虜にしているようだ。

ファストファッションのビジネスから読み解くファッション

ファストファッションの特徴は,企画・開発から生産・販売までのプロセスにおいて一貫してスピードを重視しながら,物流段階では合理的な効率性とコスト削減,企画・開発段階では高度な技術開発と品質力の向上がなされ,恒常的にコスト削減,高技術・高品質,スピード力向上,最新の市場情報の獲得と共有をおこなっているビジネスモデルである。

それは従来のアパレルのビジネスモデルとは違い、「分散と拡張」というスタイルをとっている。

この効率的で、大量に生産するスタイルが低価格を実現する。

そのせいか街中を歩いていると、同じ服をきた人と出会ったことが数回はある。(これめっちゃ恥ずかしい)

 

薄利多売が2000年代

値札

2000年代から台頭した、ファストファッションのビジネスモデルは’薄利多売’だった。

この方式によって低価格を実現しているのだが、これはファッション業界をどの方向に推し進めただろうか?

  売れ筋を安く速く大量に作るため生産は中国に依存、商品企画は外部に丸投げ。結果、ブランド名が違うだけの似た服が店にあふれた。
「買いたい服がない」と消費者の財布の紐は固くなるのに、ショッピングセンターの増加で供給される商品は倍増。
不良在庫が積み上がる……。「業界が集団自殺している」「まさに、ゆでガエル」という関係者の嘆きが痛々しい。

◆朝日新聞書評 ジャーナリスト・梶山寿子氏「成功体験で「思考停止」した業界」

過当競争である。業界が集団自殺という目をつぶりたくなる表現もここから伺える。


ファッションに興味をもつが、お金をかけなくなってしまった。大量生産が原因で資源や服に対する愛着が喪失してしまった。

着たい服がないな、とか
どこの店も同じ服ばっか売ってる、という。

みんながやってるからやろうっていう心理。が大きな波となって呑まれそうになる。


これらが課題なのである。


君センスいいね!っていう言葉もなんだか虚無的に聞こえてしまう。

だって、トレンドを抑えてある服だもん。これ。


しかも「センスいいね」っていう言葉はどういう風にセンスが良いのかを明示しなければ意味がない。


インスタ映えみたいなもんだ。言葉だけが浮遊する。意味はない。(まじマンジ!)


こういったように、ファストファッションは便利ではあるがその反面、課題は山積みだ。

そしてもう一つ現代のファッションを語る上で欠かせないのが、「ネットのファッション」だ。

ネット世代’ZOZOTOWN’が運んできたビックウェーブはアパレルの再定義を必要としている

2010年代から多く普及してきたネットで洋服を買うスタイル。ネットで服は売れないと言われ続けてきたが今では可能になっている。

ネット通販を代表するZOZOTOWNはいまや時価総額では伊勢丹や高島屋を優に上回っている。


もはやメルカリでは中古の服を顧客同士がネットで売買している。

しかし、デジタルネイティブにとってこれは驚くべきことではない。


なぜなら、その安さで手に入れたいものがダイレクトに見つけることができる経験は尊いからだ。

店舗では先鋭的すぎて売りに出せない商品や、ひと昔のトレンドから外れた商品だってネットならワンクリックで買える。

お任せ定期便http://zozo.jp/teikibin/

そしてとうとう、お任せ定期便とか始まった。これはすごい。


自分で服を選んで探すというファッションの醍醐味をもはや喪失している。というかそこが売りだ。


おしゃれで損をしない世界とでもいおうか。確実に、「あの人ダサいよね、」とは言われなくなる。

ここ数年のデジタルウェーブでファッションの定義も変わりつつある。


「アパレル」も再定義する必要があるのではないだろうか。

「誰がアパレルを殺すのか」ではこういう一説がある。

消費者も変わった。もはやモノを買うことや所有することは快楽ではない。古着への抵抗感はなくなり、レンタルやシェアも積極的に使う。見栄で服を着る時代ではない。

所有の時代の終わりの到来 と共に、所有しない服のサービスにシフトしていく可能性もある。


シェアする時代によって所有することでの権威は力を失っていく。

ジェイムズ・P. ホーガンの著作、「断絶への航海」では所有という概念がなくなった世界を描いている。

断絶への航海

この世界では、好きなものが好きな時に手に入る。そうすると、とうとう所有という概念がなくなる。大きな豪邸も、車も。VRや技術によってすぐに複製されるようになる。その時、人間はどう地位を示せばいいのだろうか?


そこで指標になってくるのが「人から いかに尊敬されているか」だ。


この社会ではこれが人の序列を決める。

こう云った社会の到来はありうるかもしれない。そして、今僕たちが生きている時代に所有という概念が薄れてきてるのは確かだ。


ライト層にとっては所有は必須ではないからだ。なぜなら、「シェア」できるから。


所有することは、裕福層の嗜好になくなっていくだろう。

だからこそ、今。新しい「シェア」という波がアパレルの再定義を必要としているのだ。

着て捨てるんじゃなくて、資源として回していくファッション

そんな中、注目されているファッションスタイルが「エシカルファッション」。


これは着て捨てるのではなくて、資源として回していくファッションだ。

鎌田:  服を買うときって、基本的にはデザインと値段だけを基準に選ぶじゃないですか。
そこに「誰が?」「どこで?」「どんなふうに作ってる?」という服作りの裏側と、「どんな風に着れるかな?」「長く大切にできるかな?」という服を買ってから捨てるまでの未来、つまり服を買う前後のストーリーを含めてファッションを楽しむのが「エシカルファッション」の新しさだと思います。

 

エシカルファッション インタビュー 引用
画像:引用(http://qreators.jp/content/photos/000/001/346/medium/150511_QAT0048.jpg?1439952518)

たとえばオーガニックの服が高いのは、環境に負担をかけずに作ろうとすると時間と手間のコストがかかるからですよね。
じゃあ反対に、なぜこんなに安い服があるのか、と考えてみると、安く早く作るために農薬や化学染料をガンガン使っているのかもしれないし、お給料が低い人に長時間働いてもらっているのかもしれない。
その結果、お金がなくて毎日の生活が苦しい人がいたり、学校に行けない子供がいるかもしれない。
土地や水が汚染されて作物が育ちにくくなったり、住んでいる人の健康が害されているかもしれない。

普段、服を買っていてもそういった想像力は働きにくいですよね。「エシカルファッション」というコンセプトがあることで、今まで考えていなかったところまで視野が広がるきっかけになると思うんです。

引用:http://qreators.jp/content/143/

ここでは「人と地球に優しいファッション」とエシカルファッションが紹介されてる。


トレンドに回されるこの時代にエシカルファッションは警鐘を鳴らしている。

「本当に自分が着たい服って何だっけ」って考えること。

私たちの年代はネットやスマホから入ってくる情報に毎日どっぷり使っているから「感じる力」が弱くなってるんじゃないかと思うんです。
「いまこれが流行!これを着るべき!」って雑誌やSNSからバンバン情報が流れてくる。
とりあえずそれを着ておけばトレンドをやりすごせるし、おしゃれな人っぽくなれちゃう。
インスタグラムの写真とかも、自分が好きかどうか判断する前にハートがたくさんついてるから「いい写真!」って思っちゃうとか。
そうやって情報を受け取るだけで生きていると、自分の好きなものは何か感じる機会もないし、忘れたままでも生きていけちゃうんですよね。

でも、たとえファストファッションで買い物したとしても「ずっと着たいと思う好きな服」を買って長く着るのであれば、それは消費のサイクルを延ばしてゴミを減らすわけだから「エシカルな消費」と言っていいんじゃないかな?と考えています。

「本当に私の着たい服って何だっけ?」って考えることだと思うんです。

 

 

僕が着たい服、って何だろう。いつか、先輩が「服って似合う似合わないじゃなくて、何を着たいかだよ」と僕に話してくれたことの真意はこういうことか。

着たい服がないんです。ってやっぱり薄利多売の弊害だなぁと思っている。


だからこそ、エシカルファッションだったり、今自分が着たい服を考えることは重要なんだと思う。

トレンドに流されないで、自分が自分らしく入れる服を探す。
これはファッションだけじゃなくて、いろんなコトに言えることかもしれない。

洋服は名刺だ。とよく言われるがまさにそうだと思う。

ファッションは自己表現の最たるものだ。
ベーシックなものを来たい人もいれば、派手めなものを好む人もいる。あえてトレンドからずらしにいったファッションだったりトラッドなものをチョイスしたりする人も。

仕事で忙しそうなあのサラリーマン。窓の外をゆっくりと通り過ぎていく老人。自転車に乗ってはしゃぐ少年たち。


そこにはいろんなファッションの形があって、いろんな’わたし’が存在している。


友達と遊ぶとき、仕事にいくとき。

君が君らしくいられる格好。それがいい。

さぁ、久々の休日。誰かと会う。もしくはデート。

そんな日はいつもよりちょっと気合いを入れて、少し ’おしゃれ’ してみようかな。

 




 

最後は僕がファッションって何だろうと考えてた時にハッとされ、ファッションが楽しくなった契機を与えてくれた文章を紹介して終わりたいと思う。

(引用:14歳の君へ 著・池田晶子)

君は、着飾ることはつまらないことだと思っているだろうか。思ったような服を好きなだけ買えないとか、似合う服がわからないとか。そんな言い訳ばかりしていないだろうか。世の中で起こるニュースや仕事のこと。

人間関係の悩みやお金のこと。いろんなモヤッとしていない”ファッションって面白いもので、そういう空気を反映するんだ。なんとなく普通 “とか”○×△っぽい“がはびこっているよね。

あるいは「もう、着るものなんてどうでもいい」なんて思っていないか。そうなると、もう洋服を着る目的なんて本当になくなる。

でも着ないわけにはいかないし、変なやつだと思われたくないから適当にベーシックな洋服を選んで、周りから浮かないようにまとめる。

そうやって自分をだましながら、なんとなく着ている。それを幸福だと思うかい?どういうわけかちょっとでも洋服に興味を持ちせっかく着るのだから、この面白さを目いっぱい楽しんでみたいと思わないか。

大好きな人にカッコいいと言われたくないか。大変だけれどもやりがいのあることだ。ひょっとしたら、それが、この訳のわからない、ファッションというものが存在するということの意味なのかもしれないよ。

人生で最も多感といわれる時期に、初めて洋服を自分で選んだときのこと。限られたお小遣いを握りしめておやつを我慢して買った、1着の服のこと。あのワクワクした気持ちを取り戻したら、きっと服は楽しくなる。

 



この記事を書いた人

おっかー

自分の体験したことを中心に文章を書いている学生です(18)
“暮らしにイノベーションと体験を。”をキャッチコピーに新しい文化やその広め方にフォーカスを当て、このブログの管理人をしています。
okkaaa名義で楽曲も配信中。Spotify他、ストリーミングサービスにてご利用いただけます。映画はデビットフィンチャーの作品が好きです。