ESSAY: 独白

『さみしい』と『さびしい』は同じ言葉なのに雰囲気が違く感じる。これは日本語の妙かもしれないが、時々面倒になる。自分の感情を表現する時どの言葉を使えばいいのかわからなくなって空回りしてしまう。中華料理屋でメロンソーダを飲みながらそんな話をしている。たまに圧倒的な熱量にやられてしまう瞬間ってあるよな。と僕は友達に語りかける。

村上春樹の『海辺のカフカ』の

『ことばで説明してもそこにあるものを正しく伝えることはできないから。本当の答えというのはことばにはできないものだから』

村上春樹『海辺のカフカ』

という好きな言葉を話しかけながら思い出したりする。日常は常にインプットだから、ふと感傷的になったりもする。高校生の時に聞いてたKPの東京が今聞くと全く違く聞こえて全く違う自分と出会っている気分だ。 懐かしい記憶が辛いと思うのは残酷に思えてしまう。

今日はメロンソーダを飲もうとか、中華料理屋に入ろうだとか、僕たちは無意識の間にいつも選択している。でもそのはずなのに全く違う方向に話が進む。中学高校の同期から話は聞く、あいつは今どんなことしててどんな大学にいて。

僕は音楽とかをネットに発信し続けたいから毎日が決別である。あいつ最近変わったよなという人と。昔の自分と。いつでも変わり続けてたいから環境も変わっていって自分を推し進めるしかない。 インターネットによくある言葉は自分の感情を垂れ流しているだけ。その構造自体にふと嫌気がさす瞬間もあるのだがこればかりは受け入れながら語るほかない。

そんな風に中華料理屋で僕の話を聞いてくれる友達やガールフレンドも小さく頷いてくれる。一人で過ごすのは好きだけど、誰かといるときはもっと好きだという話もしたい。宇多田ヒカルや尾崎豊のような圧倒的な孤独を歌うことができないから。

どんな時だって たった一人で
運命忘れて生きてきたのに
突然の光の中 目が覚める 真夜中に
静かに 出口に立って
暗闇に光を撃て
今時約束なんて 不安にさせるだけかな
願いを口にしたいだけさ
家族にも紹介するよ
きっとうまくいくよ

宇多田ヒカル’光’

誰からも保証されるわけでもなく、こうやって走り続けてきたのはなぜだろうか。君の曲は最高だよと、2018の夏に友達から言われた言葉を頼りにして頼りない夢を歩いてる。どんな自分になるかは自分で決めるから、もうちょっとこの頼りなさを綱渡りする。

悪い夢なのか幸せな現実なのか、掴み所ない毎日だがこうやって今日はメロンソーダを頼む。インスタグラムの中に映るキミは楽しそうだけど、いいねは押さなかった。なんだか恋をしてるみたいじゃないか。ユメの中の言葉に飽きてしまって、夢の中に潜る。

あの大好きなガールフレンドとも好きな音楽のCDや小説を持って真夜中のどこかで会おうよ。

優しい目に怖い夢。

僕に似合うのはこの曲だとか、こういう人だとかは知らない。

僕はボクのまま走る。

頼りない夢の中目覚めたらあの子はどんな顔するだろう。

これは独白。意味なんか忘れて。音楽も消して、言葉なんか忘れさせて。

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okkaaa
1999年生まれ、19歳。 音楽クリエイター、ライター/フォトグラファー。

​2017年、楽曲「Lo-Fi」を発表。SpotifyのNewEraHipHopに選出。その後も、1st EP「younghood」を発表。また自主企画イベント「younghood town」も開催。
​楽曲制作を行う傍らライターやブロガーとして執筆活動も行う。デジタルが普遍化した世界を紐解きつつ、音楽や映画などのエンタメ系の話題も様々な切り口で執筆を行う。
​フォトグラファーとして12月に個展を開催。ミュージックビデオの構成や編集にとどまらずアートワークなども自身で手掛ける。

ESSAY: 10時間

これは直近10日間で僕がネットフリックスやyoutubeを開いた時間である。動画コンテンツって恐ろしい。知らない間に朝になったりしてる。


家に帰ると11時過ぎ。最近はバイトや打ち合わせなどで終電近くなることが多いのだが、こういう時はなぜだか映画をみたくなる。もしくはショートアニメ。

深夜の場合、何も考えないで感覚で観れるギャグ映画やギャグアニメを見ることが多い。なぜか小さい頃からそういうものが好きだったらしい。トムとジェリーとかピンクパンサーとかミスタービーン。あとドラえもん。

ああいう感覚でずーっと見れちゃうアニメは素晴らしいと思う。睡眠時間を貪られ翌日には目覚めの悪い朝が待ち構えているけれども。
たまーに驚くほどの感涙に出会うことがある。ドラえもんがボソっというセリフにジーンとくる。

のび太くんがこんな騒がしい街はやだ!といって喧騒から逃れ何百年前の村に逃げるけど、生活スタイルが違すぎて撃沈。泣きながら家に戻ってくるわけだが、そこでドラえもんが、

『いつどんな時でもその時代を生き抜くためにみんな精一杯頑張っているだよ。』そしたらのび太が『そうか、僕らは、僕らの時代を少しでも良くするように頑張らなくちゃいけないんだね!』と。

もう歳のせいか、最近涙腺がやばい。ドラえもんの名言に心が刺される。大事なことはドラえもんから教わったという人は少なくないと思うが、何歳になってもドラえもんには新しい発見がある。

という感じで、ネットフリックス沼である。ハマってしまって抜け出せなくなる。一回その枠にハマってしまうとそこから視座を高めることが難しくなるから、なんでもハマるのはやめようと思っている僕だが、ネットフリックスに関してはもう無理である。

しかも動画見てると時計も表示されなくなるからより一層キツい。イントロもスキップできちゃう。すーぐ次のエピソードに行っちゃう僕である。

デヴィッドフィンチャーの映画『SEVEN』でOPタイトル‘motion plus design’を使用したカイルクーパーは『ネットフリックスのイントロスキップが嫌いだ』と言っている。もちろん同意できるところはある。映画のOPに関しては作品の展開を示唆する一部パーツであり、そこからテーマや作風をも引き起こされるからだ。だから映画に関してはイントロスキップはしない。アニメとか、毎回同じOPを見なきゃいけない時だけだ。

最近は斉木楠雄のψ難にハマってる。原作も読もうと思ったが連載はもうすでに終わってるらしい。

漫画は諦めて今日もネットフリックス見るか。。。
あ、深夜3時…

ESSAY: ラジオ

「普段どんなアーティストの曲聴くんですか?」

と女性。おそらく同い年だろうが、僕はこの手の質問に少し戸惑ってしまう。

「あ、岡村靖幸とかTHE1975とか好きですね。なんかジャンル一つごと作っちゃう人ですかね。」

と僕は答える。もちろん嘘ではない。が、やっぱり1つにまとめあげるのは苦手だ。映画で言うと、「人生今まで見た中で1番好きな映画は?」に匹敵するほど難しい質問である。

まとめるのが難しいから、J-waveが好きですといえば僕の場合、解決する。僕は毎朝ラジオを聞く家庭だったから。

人肌恋しくなる夜にラジオをつけると誰かがしゃべっているからラジオは好き。そこに人を感じる。別につながっているわけでもなく、メールを送るわけでもなく僕はそこでラジオを聴いているだけだ。

そんな音楽とかに囲まれていたから、メインストリームだけれども少しずれてる音楽を好んで聴く。それと、夜の高速に似合う曲。(免許持ってないけど笑)

通な人、そうじゃない人、様々だが、好きな1枚となるとみんなきまって熱くなって語り始める。これは何故だろうか。やはり音楽が持ってる力は公然たる普遍さを持ち備えていて静かな感情がそこにある。音楽は手を離すことも繋ぐことも自由だから面白い。

とは言うものの、ちゃんと好きなアーティストを答えられるように不完全で曖昧な記憶を辿り、僕は僕の音楽性を作った音楽を探してみた。今思いつくところであげてみると、宇多田ヒカル、DEAN、星野源、プリンス、ディアンジェロ…

紙に書き出してみるとおもしろい。後から候補が上がることもある。このアーティストもそういえばそうだ!いやこのアーティストも!!と。枚挙にいとまがない。

ふと時計をみると午前3時。自分な好きなものを醸成する時間はあっという間なのだ。こうやってすぐ時間が経ってしまう。

そしてこの夜も、次「どんな曲聴くんですか」と聞かれたらどう答えようかと考えながら眠りにつくのだ。

「普段どんなアーティストの曲聴くんですか?」

また別の日、僕はこう答えた。「宇多田ヒカルとか、岡村ちゃん、DEAN、星野源、プリンス、ディアンジェロ….とか。あ、、、、、、」。やはり一つにまとめるのは苦手なようだ。

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okkaaa
1999年生まれ、19歳。 音楽クリエイター、ライター/フォトグラファー。

​2017年、楽曲「Lo-Fi」を発表。SpotifyのNewEraHipHopに選出。その後も、1st EP「younghood」を発表。また自主企画イベント「younghood town」も開催。
楽曲制作を行う傍らライターやブロガーとして執筆活動も行う。デジタルが普遍化した世界を紐解きつつ、音楽や映画などのエンタメ系の話題も様々な切り口で執筆を行う。
フォトグラファーとして12月に個展を開催予定。ミュージックビデオの構成や編集にとどまらずアートワークなども自身で手掛ける。

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