LULU / liquid(feat.okkaaa)

LULU liquid(feat.okkaaa)が1127付で全世界への楽曲配信がスタートした。著者(okkaaa)とLULUは同い年。僕らはゼロ年代以降のポップカルチャーに影響を受け、フィジカルからサブスクへの移り変わりを見届けた。そしてデジタルディストリビューターの誕生とともに自身で楽曲をプロデュースできるようになり、所謂「新世代インデペンデントアーティスト」という文化的文脈が生まれた。その時代で僕らはどんなクリエイティブをしていくか、どういう位置づけなのかを模索しながら新作「liquid」について語った。

LIQUID

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okkaaa(以下、ok)「リキッドを作るにあたってどういうテーマ性だったのかを話していこうかなと思うんだけど、まず最初はLULUくんがトラックとテーマ性を持ってきてくれたんだよね。」

LULU(以下、LU)「うん。まずなんで誘ったかというと、俺がspotifyとかで聞いてて同じ世代で面白いインディーアーティストがいるなと思ったのがokkaaaで、最初に聴いた曲がシティーシティーという曲でその次がsubscription。その二曲ですごい響いて、まずサブスクリプションサービスは既に誰もが使ってるものだけど、実態が知られていない物であり、そこを紐解いている人がokkaaa。現代社会においてのデジタルを俺と同じ世代の人が紐解いてるってすごいなと思って。」

LU「それで、話してみたいと思って。まず一回丸の内で色々話したよね。俺と同じようにテーマとかに関心があるんだなて思ったり、会ってよりこの人の楽曲は社会性を持っていて、俺もプロジェクトに関わっていきたいなと思ってまずリキッドのビートを送った。」

LULU
2000年生まれの19歳であり幼少期を中国の北京で過ごすビートメーカー/プロデューサー。クラウドラップを体現するLULU&FANGでのグループ活動やいくつかのライブ活動を経て、今年10月よりセルフプロデュースを通してデビュー。ケイトラナダやMonte Booker、ムラマサなどのプロデューサーから影響を受け作り上げるビートはジャズやファンク、フューチャービーツなど様々な要素を感じることができる。ニヒリズムといった哲学的価値を好むLULUはビートメイクの際、常に雲や液体(雨)を連想し独特なサウンドデザインで通してリスナーを魅了する。

ok「会ってすぐ、バチっときたよね。」

LU「うん。リキッドのテーマは、人間は水でできているということは自然の一部であり、人間自体、自分自身がどういった存在であるかといった大雑把なテーマ(笑)。これはokkaaaへの一つの問いかけであり一緒に導き出してみたいもので、僕達人間がこの社会の中でどういう位置付けなのか、常に想像を超えて変わっていくデジタル社会において俺たちは自分自身を確立できるだろうかとか、僕達は若いし何も知らない世代かもしれないけど、そこを紐解いたら面白い曲になるかなと思った。」

ok「デジタル世代とは言いつつも、森や自然の方が多様的だし、そこからヒント生まれるものっていうかあるよね。」

LU「そうだね、そこに意外と気にかけてない部分が多いからそこにフォーカスしたかった」

okkaaa
1999年生まれ、20歳。 アーティスト、文筆家。
​若干二十歳のアーティスト/文筆家/フォトグラファーという様々な側面を持つ今期待の新世代DIYミュージシャン。楽曲制作もさることながら、ミュージックビデオの制作、楽曲のジャケットやwebサイトなども全てセルフプロデュース。早くも多数の配信サービスのプレイリストに選出されており、Spotifyのバイラルチャートにランクイン。2019年7月にはSpotify「Early Noise」のカバーを飾るなど今期待のクリエイターである。このサイトの管理人。

ok「LULU君はハーフで僕とは全く別の文脈を持っているけど、そこで割とそのデジタル思考とかマーケティング思考とかガッチリハマってこの人と絶対やりたいなとも思ったし、そのテーマも感じてたことだったしやるしかないなって感じだったよね。」

LU「うん。このビート自体は結構いろんなアーティストから影響を受けたビートで、どう評価されるかわからないけど、自分の中では実験的に作ったというのもあって、実験的な姿勢で取り組んでいるokkaaaかなと思って、渡した」

ok「僕も多重録音的なものを取り入れていて実験的。ゴスペル的なアプローチというか、最近やり始めてきたことで僕も実験的なアプローチを模索している途中だったのでお互いそれが一致したというね。」

LU「多重録音でいうと、最初にokkaaaから送られたものを聞いた時、daniel cieaser的だ、すげぇって。俺もちょうどチャレンジしてみたかったし曲としても文脈としても合ったと思う。」

ok「それこそ、カニエの新作もそうだったよね、もちろん大きな流れとしてはあるけど、エクスキュースとして自分の声を最大限に活かすにはどうすればいいんだろうっていうのがあって、自分はタイプビートという手法を使っていて、楽器も引かないしアプローチとしては自分の声をどう使っていくかという。」

ok「それこそインデペンデンとアーティストのsminoとかは声の配置も面白いし、声のミックスによるアカペラ多重録音的な持ち寄り方が面白い。それこそダニエルシーザーの『a cappella』っていう曲にも衝撃を受けて、こんなに声って多様的なんだとか声だけでこういう表現ができるんだとか、声から出る人懐っこさとか身体性の深さはアカペラの方が表現できるなって思ってて、今はテンプレートっぽくなってしまいがちでそれっぽい表現になってしまいがちじゃん。そういう時に自分をどう表現していこうかなって思った時にこういうのが出てきたんだよね。」

LU「うん,俺もこのビートとか構成していくなかで、自分はキャリアは積んできてないけど、まず時々意識もしていた今の楽曲のトレンドとかそういった今のメインストリームの流れとかを考える時点でいいのが作れないような気がして。参考にしたmontebookerとかMura Masaとかも若い世代でビートを聞いただけでもなんかこいつらは若いエナジーが溢れてるなと思ったりして、日本にいる関係ない俺らでも他の人に俺らなりの姿勢とかビジョンがあると提示してみたかった。」

ok「それこそmonte bokkerとかsminoとかはデジタルダイバーシティー以降の新世代DIYアーティストそういう文脈で出てきた人たちで、それを多分に聞いてきたわけじゃん、俺たちは。ここ3年でね。そういうのもお互いに引き出せてるし。そういう共通の認識があったからこういうタイプの楽曲ができたなと思って。」

LU「DIY精神の定義が各々に必要だと思うし、俺とokkaaaも自分の中でのインディーアーティストとしてのアーティスト像は少し違う中で共通しているのは各自自ら曲のリリースのコンセプトからその曲のプロモーションのためとか広め方に考えを持っていたりするところだと思う。メインストリームのアーティストはそこをレーベルとかにやってもらっている点を考えるとこれを自らの手で進めるのは俺たちの特権なのかもしれないね」

ok「プロモーションをする中でサブミッションメディアとかがいるけどそれを駆使するのはあくまでの手段であるし、必然的な流れだよね。」

LU「今の脚光を浴びているインディーアーティストもSNSを駆使したりしていて(ビリーとかLIL NAS X)、それが企画会議とかで進めた計画性があるものというより、常日頃使っている身近な物であることが面白いと思う。」

ok「そうだね。じゃあここで一旦この楽曲の歌詞について話していきたいと思うんだけど、」

深い凍結に向かい 消費されてslide 

この世界と僕は似てるけどDNAは違うようだ

雲に手を伸ばして 虚ろな街を手放せ

揺らぎを伴え 暗闇に逃れた同じもの

たくさんの期待を提げ

まるで変わっていく見た目 

直感で揺らめく仕立て

は消費されては消え

洪水は膨れ上がって君の元へ

循環する自然体は大いなる船に乗って

何かを待つだけのだけの船出

よりも海賊的な目で船を用意して

最適化システムで揺られないように

生態系の一部となって変わってくの

liquid

ok「まず人間は水で出来ていているというテーマから、自然回帰的な発想にフォーカスしていて、僕が今回一番着目しているポイントは”隷属されない”こと。というのも社会とか国家にただ追従することとか、システムに流されていく動きとかを”最適化される”というけど、今はそれに飲み込まれる可能性があって最悪自分を失ってしまう場合もあるかもしれない。だから最適化される前に立ち止まることとか、ノアの箱舟じゃないけど、自分の軸を持つ船を持つことが重要だと思っていて。システムに飲み込まれないという意味合いで”循環する自然体”という歌詞観になっているんだよね。」

LULU「最初俺は漠然としたテーマをokkaaaに投げて、歌詞が来た時に一番共感を感じたのも隷属されないことだった。俺のバックグラウンドとして中国に12年間住んでいて、外国人がいる中で育ったり、秩序という概念があまりない北京にいて凄く色んなことに刺激を感じたと思う。当時はあまりにも接する一人一人が違うと感じたし持っている価値観も当然異なると意識していたけど、帰国した後なぜか一般的な固定概念とか”常識”とかに寄せている自分がいてそれこそ自分を見失っていたと思う(笑)。新たな自分を見つけるとか再定義するというのが俺の音楽を作るきっかけであって原動力でもあるからこの考えをokkaaaと共有出来てよかった。」

ok「そこは相まってたよね!人って超越的な考えを持つタイミングが訪れることがあると思っていて、なんで世界は存在するんだとか自分はどうやって生きているんだとか。俺はそう感じることが比較的多いと感じていて、自分の生を位置付けるためにどうやって生き続けてれば良いんだろうとか、アーティストの指標としてそれこそ何か訴えるものとしては持ってないといけないなと思ったから、色々勉強した結果がそれこそ隷属されないためにも自然の多様性を大切にするというのが答えの一部というか一つの結果発表だと感じた。歌詞の中では最適化とか消費、虚ろ とかマイナスなイメージのキーワードが多いけど、この世界の揺らいでる感覚からもきているかな。」

LU「今回のプロジェクトをやっている中で自分自身に新たな視点とアップデートを求めていて、これをokkaaaとやったことは自分の中でも明確化したい答えを求めるプロセスの一つだと思って、okkaaaという似た視点やビジョンを見ている人に凄く価値があると感じた。」

ok「二人でやって社会に接続する感覚は生まれたし、自然をテーマにしているけど、これを書いてる人たちがZ世代と言われる人たちがこういう自然主義的な発想になるのはアイロニーだと思うし、俺たちだからこそみたいなのはあるよね。」(終)

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